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ロックの部屋

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APHRODITE'S CHILD

アフロディテス・チャイルド『the singles+』



今年サッカーユーロ2004やオリンピックで話題になったギリシャ、だからというわけではないのですが、今年の春頃から今現在良く聴いているアルバムがこれです。

70年代にも【アフロディテス・チャイルド】は聴いていたのですが、その頃は当時はまっていたプログレの延長で聴いていました。実際聴いてみた所プログレとは違ったポップさでズッコケた記憶があります。今ひとつ馴染めず、それほど聞きこまないでLPは売ってしまったのでした。

今聴いてみればアフロディテス・チャイルドの大部分の曲のベースはユーロポップスにあることが分かりました。

ギリシャのバンドというと、世界的に有名なのはこのアフロディテス・チャイルドで他にどんなバンドが存在しているのかさっぱり分かりません。メンバーの一人でもあるヴァンゲリス・パパサナシューは後に映画音楽の巨匠として活躍する【ヴァンゲリス】です。ヴァンゲリスから入って過去追いでアフロディテス・チャイルドを聴いてみたという人が今は多いのでしょうか。

このアルバムは全38曲入りの、物凄いヴォリュームの集大成的なベスト集です。と言っても1枚目2枚目のアルバムからは全曲収録済み。貴重なライブ音源も2曲入っています。時代ごとに曲が並べられているので音楽性の変化が垣間見られて興味深いです。

1枚目で有名なのが世界的にヒットした「RAIN AND TEARS」(雨と涙)フルートとチェンバロ(?)がとても美しい。バッハのカノンをモチーフにしたかのようなバロック風味な曲。「END OF THE WORLD」もエーゲ海かどこかのイタリア映画に出てきそうなイメージの曲。ドラマチックで美しい。プログレというよりは、軽いサイケにヨーロッパの風景(遺跡とかの)をイメージさせるようなゆったりとしたオルガンが特徴的です。

2枚目からは「LET ME LOVE LET ME LIVE」などビート色を強調、ポップソングからバンドらしさが現れ始めています。「MARIE JOLIE」は軽いフォーク色ですがパーカッションの使い方が民族音楽っぽい。アルバムの表題曲でもある「IT’S FIVE O’CLOCK」はオルガンがプロコルハルムの「青い影」を思わせる名曲。

比較的プログレ色ジャズ色が強いコンセプトアルバムが3作目の『666』です。「AEGIAN SEA」(エーゲ海)など語りとクロスオーバーなギターとのアンサンブルが絶妙。演奏力が格段に進歩してますね。

ユーロロックとしては外せないアフロディテス・チャイルド、ヨーロッパの伝統や芸術も充分感じとれるし、聴いてロマンチックな気分になれる事は間違いありません。

                         (2004-11-14記)


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